お泊まりは、有形文化財で

お泊まりは、旅館かみなか。有形文化財という耳慣れない称号が付いているだけあって、一言でいってすごい。七尾に住んでいた頃を思い出す。父が旅館を買い取って、改装した歯科医院だったので、そこここに昔の名残が残っていた。旧館は木造で、中庭に面した二階の廊下は、歩くだけでぎしぎし言っていた。木枠の開き戸が10数枚並び、そのレールも昔ながら。鍵は、ねじで回す・・・。ホント、懐かしい。二階の角間からみる日本庭園は美しく、これまた七尾の我が家を思い出す。

かみなか旅館の前、夜景はGood

かみなか旅館の前、夜景はGood

この旅館の美点は、とにかく昭和初期のノスタルジアが色濃く残っていることだ。でも、お料理は部屋食で、味付けも薄味。一品一品が順に運ばれ、まるで割烹で食事をしているようだ。これで二人で払った料金が3万を切っていた。お酒を二本。上等の飛騨牛(ホンの少しだけど)。破格だ。

料理はなかなかおいしい

料理はなかなかおいしい

ここまで書くと超お得・・と聞こえるだろうが、今風とはほど遠い。トイレも風呂も共用である。なにもかもが50年くらい前にタイムスリップしているのだ。お風呂は、普通の家庭風呂を広くしただけだし、トイレは綺麗に手入れされてはいるが、出入りがあって落ち着かない。個人的には、このトイレが一番閉口した。それでもこんな宿は希有だ。Jalanでは、風呂の点数が断トツに低いが、そんなことに拘るべき宿では元々ないのである。

宿泊している方達も、外人さんやら、熟年夫婦(私たちのこと)、老年友達やら、旅にこだわりがある人種ばかりだ。こんな宿に泊まるのも、ありふれた日常を離れることができて、素敵かもしれない。

夜の散策は日中とは異世界

秋の高山夜景

秋の高山夜景

高山市内は、紅葉には今一歩ですが、陣屋前の橋はライトアップされ、それなりに綺麗です。昨晩から冷え込んで、気温は十度くらいまで下がっています。あまり、夜出歩いたことはないので、夜気はとても新鮮です。空気が澄んでとてもおいしく、昼間とは全く別の空間のように感じます。この寒空に1時間半くらいうろうろしていましたが、それには訳がありました。と言うのは・・・おと

高山一のラーメンを食べる

事前調べでは、食べログで、断トツのNo1のラーメン屋さん。「麵屋しらかわ」です。この店は不思議な店で、正午前後の数時間と、夜の午後9時から午前1時までが開店時間です。こんな夜中に誰が来るのか、って、感じです。ところが・・・

麺屋「しらかわ」暖簾

麺屋「しらかわ」暖簾

c 午後9時に5分ほど、再び訪れたお店の前には、何とお客が既に20人ばかり並んでいました。ちなみ翌昼に前を通ったときには、もっと並んでました。何でこんなに流行ってんの???並んでる間に、行列の横を通り過ぎた酔っ払いのおじさんが「今時、並んでおいしいラーメン屋なんて、ないわ!」って、ぶちぶちつぶやいていましたが、内心そうかもしれないと思ってました。

さて、肝心のラーメンですが、一言で言うと、おいしい。麵は、高山ラーメンの独特の細ちぢれ麺です。これは素直においしい。そして、スープですが、これは私の知っている高山ラーメンのものとはちょっと違います。まず、胡椒が効き過ぎです。そのため、スープの味がどこか飛んでいってます。高山ラーメン独特の澄んだ、そして、コクのある味わいがかき消されている感じです。いや、いや、決してまずいという訳ではなく、強烈な印象が残るラーメンなのです。まあ、年寄りの愚痴です。

いかにもおいしそう

いかにもおいしそう

昔、「まとい」という伝説のラーメン屋さんがありました。高山一と言うより、私が生涯で出会った中で、最もおいしいラーメンでした。このラーメンを食べるために、出張中の城端から、高山までラーメンを食べるだけのために出かけたこともあります。本当に素朴なラーメンなんですよね。別にぎらぎらもしてないし、具もてんこ盛りでもないし・・。でも、その麵のゆで具合、スープとの絡み、何より、ずっとすすっていたくなるスープの絶妙さが秀逸でした。スープをおかわりしたくなるラーメンって、出会ったことがありません。ご主人が亡くなった後、息子さんが後を継ぎましたが、味は全く別物。そのうち、店そのものが消滅していました。あー! まといのラーメンが恋しい。