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朝日バッシングこそ平和への脅威

朝日新聞の従軍慰安婦報道、それに続く池上コラム不掲載、福島原発事故の吉田調書報道。社長が謝罪会見に追い込まれた一連の事件は、今朝日バッシングとして、世に広がっている。特にメディア自身の攻撃はすさまじく、その紙面には「廃刊」「不買」の文字さえ躍る。
この騒動の主因が朝日新聞自身にあることに異論は無い。日本を代表する巨大マスコミとして自らの役割と責任を自覚し、社内外の声に謙虚に耳を傾ける姿勢こそが生命線であろう。そのことを今一度肝に銘じてもらいたい。
一方で、マスコミとして批判にさらされること自体はその社会の健全性を示すものと言って良い。過ちを犯さない人間や組織などありえない。特に権力を監視するという重要な役割を担わされたマスコミなら、その危険は常につきまとう。メディアが権力におもねる時、その国に最早民主主義はない。
朝日へのバッシングは明らかに一線を越えている。朝日新聞元記者二人が在籍する大学への脅しは、その典型である。そして、それを煽っているのは間違いなく新聞や週刊誌と言った一部のメディアだ。朝日を叩けば、部数が伸びる。「反日」「売国」「愛国」・・時代が閉塞感に覆われるとき、常に繰り返される扇情的フレーズ。真の愛国とは、他者を問答無用に罵り、その存在を全否定することではあるまい。世界の中の日本であることを自覚し、他国を敬い、尊重することこそが自国を守ることに他ならない。
最も憂うべきは、今の世を覆う空気そのものだ。一国の指導者が「朝日の報道は日本人の誇りと尊厳を傷つけた」と国会で答弁する。従軍慰安婦問題は、たった一人の人間の証言とその真偽によって揺らぐものなのか? 問題は総体としての事実のありようだろう。同じ事は沖縄ノートの裁判でもあった。沖縄で住民の集団自決が軍の強制であったか否か? 二人の部隊長が 「集団自決の命令を出していない」と主張し、著者の大江健三郎氏と岩波書店を訴えた。そして2011年4月22日、最高裁は軍の関与を明確に認めた。
秘密保護法案、集団的自衛権、そして、慰安婦問題。次々と政府が打ち出す施策はこの国の形を確実に変えようとしている。国民の過半数が反対する現実を無視し、異論を封じる姿勢こそが最も危うい。朝日バッシングはそうした空気の中で生まれた。この空気こそが今日本が直面している真の脅威に他ならない。

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