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竹島問題を考える~前編

竹島問題何か、世の中が騒がしい。内憂外患と言うが、ホントその言葉がふさわしい状況だろう。以前、「尖閣諸島を考える」という拙文を投稿した。その続きというわけでもないが、今最もホットな話題、竹島について考えてみたい。
竹島は、日本の領土か、はたまた韓国の領土か? それを論じるのが目的ではない。それは詰まるところ歴史学者の仕事だ。小さな竹島という島がなぜもこれほど衆目を集めるのか? それこそがこの問題の本質だ。
竹島問題を理解する上で、必要不可欠なのは次のKeywordである。
①領土問題としての竹島問題
②日韓の歴史と屈折した国民感情
③竹島の歴史と実効支配
④従軍慰安婦問題
今、日本の周りでは、同時に三つの領土問題が起こっている。北方領土、尖閣諸島、そして竹島問題である。この中で最も厄介で複雑なのが竹島だと私は考えている。それに較べ、前者二つは、領土問題の原因が極めて単純である。北方領土は、太平洋戦争末期、日ソ不可侵条約を一方的に破棄し、満州になだれ込んできたソ連が、これまた一方的に占拠したものである。法的に問題があるのはソ連も百も承知である。それ故、平和条約を結んだ後、「二島は返還する」とまで譲歩したのだ。ただし、違法であるからいつか日本に帰ってくるのか、というとそんなに甘くはない。元々国境など、人間が勝手にその線を引いたものに過ぎない。大抵の場合、国力の差によって、強い側の理屈で確定されていったものだ。それ故、中東におけるクルドのような悲劇が起こる。
さて、実効支配という言葉の下、いつの間にか自分の物と信じていた土地が他国の領土となっていたという話は歴史上枚挙に暇がない。ソ連という国は、その建国以来戦争によって得た土地はただの一度も手放したことがない。敗戦後、「日本を分割し、北海道をソ連領としたい」という提案はアメリカにより拒否されたが、我々が相手にしている国はそんな国なのである。
尖閣諸島は、もっと単純かもしれない。今尖閣を実効支配しているのは日本である。元々、中国の主張には無理がある。しかし、それでもなお中国が核心的利益と呼ぶ領土問題は、中国の今をよく表している。太平洋艦隊、大西洋艦隊、という名称を耳にしたことがあるだろうか? 言わずと知れたアメリカ海軍の二大部隊である。この名称は考えてみれば、とてつもなく不遜なものである。世界の一つの国に過ぎないアメリカが、四大海洋の二つを自らの艦隊名にしている。まるで、その海が自分の物だ、と言わんばかりである。アメリカは世界の海を自由に航行し、世界の好きな場所で戦争を起こせる。そう取れなくもない。
一方、中国である。今や世界第二位の経済大国である中国は、庭先とも言える黄海、東シナ海さらには、南シナ海に進出することを悲願としている。それは資本主義、共産主義とは無縁の理屈だ。大国共通のエゴと驕りである。とにかく、国力に見合った?パフォーマンスを求めている。そう考えると中国の行動は極めて理解しやすい。さらに、海洋権益も絡み、本音と建て前が絡んで一層複雑となっている。ただ、上記の海に関与するのは、日本だけではない。フィリピン、ベトナム、様々な国との軋轢も同時に増大している。日本が特別なのは、韓国と同じく、戦争という負の遺産の故だ。その中国が初めて空母を建造すると、「中国の野望」とマスコミは騒ぐ。そこには、アメリカ=正義、中国=悪、という無意識のレッテルが貼られている。そんなに世の中は単純ではなかろう。そう、私は思うのだが・・。

前置きが長くなってしまった。最後の竹島である。竹島問題は紛れもなく、ある意味で領土問題である。しかし、それがすべてではない。厄介なことは、表面上は領土問題であるから、そこには愛国心が絡む。事実など二の次である。とにかく領土問題は加熱する。考えてみれば、隣の家との境界線でさえ、人は争う。金沢大学が角間に引っ越した際、山の境界線をめぐって多くの裁判が起きた。最後に喜んだのは、弁護士だけだったが・・。
愛国心と国民感情という非常にデリケートな領域を刺激したのは、間違いなく韓国の李明博大統領の責任だ。竹島を突然訪問した大統領の行為を、日本人の誰もが愚かなことだと考えるだろう。私もそう思う。だが、少し視点を変えると、物事が違って見えてくる。一つの物がこちらから見ると白く見え、反対側から見ると黒く見える。今の竹島は、そんな感じだ。お互いに違う場所に立って、「白だ。いや、黒だ」と喚き合っている。今日本で「韓国の大統領も国民もおかしい」と考えている多くの日本人は、もし韓国に生まれていたとしたら、きっと同じように日本を批判していることだろう。国民感情とはそうしたものではなかろうか? 単に違う場所に生まれただけの違いなのだ。
それでは答えになっていない? 問題を掘り下げるために、最も必要なことは、相手の視点で物を考えることだ。そうすれば、見えない物が見えてくる。どうして、向こうから見ると黒に見えるのか?
Keywordの②である。日本と韓国。兄弟の国と言って良い。現天皇家は、百済直系と私は考えている。純粋に学問的レベルの話である。別に異論があっても構わない。ただ、そう考えると、天皇家が古代より、朝鮮半島に固執した理由がよく分かる。祖先の地に争乱が起こるとき、そこに思いを馳せない子孫がいるだろうか? ただ、朝鮮半島から見ると、古代から、何度となく繰り返された日本の朝鮮出兵は、どう映るのだろうか? 秀吉の戦争。そして日清戦争の発端となった明治27年の朝鮮出兵。保護のためか、侵略のためか? それを論じるのも又、歴史家の仕事だ。ただ、そうした歴史が、今の韓国の人達に+のイメージとなっていないことは確実である。誇り、尊厳、屈辱、劣等。そうした人の心の機微に係わる鬱屈とした感情が二つの国の間に堆積している。そう想像して、間違いがあるだろうか? その複雑な感情が、時にうねりとして放出される。それが日本と韓国の特別な関係である。そう私は考えているのだ。
Keyword③に移ろう。竹島は、そうした歴史を背景として、1905(明治38年)年島根県に編入された。この年は、折りしも日露戦争の最中であり、韓国の外交権は、事実上日本が握っていた。従って、この歴史的事実をもって、日本の領土とするのは疑問が多い。問題はそれ以前である。明治初期、さらには江戸時代、竹島は誰が領有していたのか?
ここが最大の論争点である。

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