胃・大腸の内視鏡を専門として、地域医療に取り組んでいきます

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09.和と怨念①

今世の中を動かす最大の原理(価値基準)は何だろうか? 国民投票するまでもなく、その答えは多分お金だろう。「そんなことはない」と即座に答えられる方は至極真っ当だ。無論わたし自身も世の中にはもっと大切なものが沢山あると信じている。「家族」「健康」・・そして「愛」。この年で言うとちょっと胡散臭いが、正直そう思う。
「経済財政諮問会議」「後期高齢者医療制度」「新自由主義」「聖域無き構造改革」そのすべてに共通しているのは実はお金だ。一言で言えば、国は出すお金さえ減らせればそれでいいのだ。ついでに企業が儲かればもっといい・・そういう本心が見え見えだ。民栄えてこその国だと思うのだが、なぜか日本では「企業の成長力こそ第一」と財界のトップが臆面もなくそう言い放つ。それって、自分の目の前のご飯が一番大盛り、ってことでしょう。そもそも金持ほどいろんな地球資源を浪費しているのだから、もう少し申し訳なさそうに生きてほしいものだが、なぜか皆偉そうにテレビや新聞で持論をぶつ。「ふー!」

愚痴が長くなってしまって、すいません。しかし、翻って古代史を振り返るとき、日本人が最も大切にしたものはもっと違ったものだった。少なくともそう信じていた時代があった。その基本原理こそ「和」である。
「和」は「大和」の「和」であり、そして日本最古の貨幣「和同開珎(わどうかいちん)」の「和」である。後者は奈良時代を遡る西暦708年に鋳造されている。いずれにしても日本古代史とは切っても切れないキーワードの一つだ。
しかし、この「和」を最も強く意味づけているのはおそらく十七条憲法だろう。みなさんもご存知の聖徳太子の手に拠るものだ。実は今日的憲法という意味のものではなく、官僚に対する規範を記した条文である。余談だが、この十七条憲法は日本書紀に掲載されているが、そのオリジナルは未だに発見されてない。
条文の一はあの余りにも有名な「和をもって、貴しと為す」である。同じく二条は「篤く三宝を敬え」三条は「詔を承けては必ず謹め」である。いずれの条文も一部のみ紹介したが、大意は変わらない。彼の時代、「和」こそが最も大切だった。三宝(仏、仏法、僧)より、あるいは詔(天皇の命令)より、第一条にある「和」こそが日本人(特に知識階級)の基本原理だったのだ。
それでは「和」とは何か?みんな仲良くと言いたいところだが、それほど単純な意味合いのものでは無論ない。井沢元彦氏は「和」を話し合い至上主義と訳している。そのグループの中で徹底的な話し合いが行われ一つの結論が得られれば、それが唯一絶対の正義となる。彼はそう指摘している。これって、どこかで聞いたことがありません?
「しこりを残さぬ為に話し合いで総裁を決める」と口を揃えて言った一昔前の自民党。「業界の和を乱さないための話し合い」それを世の中の人は談合と呼ぶ。考えてみれば、「和」という心地よい言葉の響きは今も脈々として日本社会に生きている。
人は群れる。群れた方が生きやすいからだ。医者は「マスコミは医療を知らぬ。だからレクチャーしてやらなくてはならぬ」と息巻く。そして、世間はそんな医者を傲慢だと揶揄する。お互い自分のムラでしか通用しない狭い「和(輪)」の論理と言うとお叱りを受けるだろうか・・・。

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